厳しさの中で学んだこと
シベリアでの生活が本格的に始まると、寒さや不便さの厳しさを身をもって感じるようになりました。
冬になると、外の世界はまるで凍りついた静寂に包まれ、歩くたびに雪がきしむ音が響きます。マイナス40度の寒さは、想像以上に体にこたえました。
言葉も十分に話せない中での日常は、ちょっとしたことでも大きな挑戦です。買い物に行くだけでも時間がかかり、手続きや郵便の受け取りも一苦労。
でも、そんな中で学んだのは、「困ったときはためらわず人の助けを受け入れること」と、「なんでも相談しながら決めることで、安心して前に進めること」でした。
友人たちは、私の小さな困りごとにすぐ気づいて助けてくれました。靴や防寒具を買うとき、部屋の暖房の調整、食料の確保…一つ一つの親切が、極寒の生活を乗り切る力になりました。
そして、自分でもできることを少しずつ覚えながら、周囲の人と相談して決めることで、不安な気持ちも和らぎ、少しずつ自信がついていきました。
あの厳しい冬を通して感じたのは、困難は一人で抱え込むものではないこと。
支え合い、助けを受け入れ、相談しながら少しずつ前に進むことで、どんな環境でも暮らしていける——そんな力を、シベリアでの生活は私に教えてくれました。